給湯器交換で電気をつくり、その熱も利用する仕組み

電気は、送りやすいという性質を持っているため、発電所から各家庭にまで送ることが可能になっています。それにくらべて、熱の方は、貯めることはできますが、送ることは困難です。電気を作るとともに、そこで発生した熱も利用することができれば大変効率的なのですが、そうした送りにくいという性質のために、火力発電所で発生した熱をそのまま、各家庭に送って利用する、というようなことはできませんでした。こうしたことを可能にするために、ガスなどの1種類の燃料から、電気や熱などの2種類以上のエネルギーを同時に取り出すという、コージェネレーションシステムの研究開発が進められてきました。

そして現在、家庭用のコージェネレーションシステムでもっとも期待されているもののひとつが、ガス発電給湯システムです。そして近年では、給湯器交換において、このシステムの導入を行うケースが増えてきました。このガス発電給湯システムは、都市ガスやLPガスを燃料にして、小型のガスエンジンによって発電し、さらにその排熱を利用して、給湯や暖房までを行うというものです。給湯器交換によって、このシステムを導入すると、給湯器であると同時に、家庭用の発電機でもあるため、省エネルギーと二酸化炭素の削減に貢献することになります。

さらに、太陽光発電システムと組み合せることによって、より発電効率を高めることも可能になってきます。給湯器交換で採用するには、イニシャルコストが高いため、現在のところは、補助金にたよることになっていますが、将来期待されるシステムであると考えられます。